最近、仲介手数料が安い不動産屋ランキングで名前をよく見かける「39room(サンキュールーム)」。
口コミや評判を調べるうちに気になってきたので、実際に使ってみました。
結論から言うと、注意すべき点はあるものの、安く引っ越したいなら使って損はないと思います
以下、使ってみてわかった39roomのメリット・デメリットやほかのオンライン不動産と違う点、注意事項などをまとめたので、利用しようかどうか考えている方はぜひ参考にしてみてください。
「賃貸に住む人」
- 住宅・不動産ライター
- 元ハウスメーカー社員
- 二級建築士・FP2級資格保有
当ブログでは、建築業界での勤務経験や私生活での8度の引越し経験をもとに、賃貸暮らしについてあれこれ語っています。
39room(サンキュールーム)とは
- 賃貸仲介専門の不動産取引サービス
- 物件情報をLINEで送るだけで、初期費用の見積もりや契約手続きを案内してくれる
- 仲介手数料は基本無料、最大でも39,000円まで
39roomは、主にオンラインで利用できる賃貸仲介サービスです。
一般的な町の不動産屋と同じように、入居希望者(借主)と大家さん(貸主)の間に入り、入居審査や契約手続きを進めてくれるわけですね。
このような仲介会社の主な収益源は、契約成立の報酬として貸主・借主から受け取る「仲介手数料」。相場は家賃0.5ヵ月〜1ヵ月分です。
ところが、39roomは原則として大家さん(借主)からのみ仲介手数料を受け取り、入居者からは受け取りません。
つまり、39room経由で入居申し込みをすれば、家賃0.5ヵ月〜1ヵ月分の仲介手数料を節約できる、と。
一見、39room側の利益が減るような仕組みで疑いたくなりますが、その分、オンライン化で店舗の維持費・人件費などのコストを削減しているので、ビジネスモデルとしてはおかしくないんですね。
とはいえ、安いサービスをすぐに利用するのは怖いので、まず運営元を調べてみました。
運営会社名 | 株式会社GKコンサルティング |
---|---|
設立 | 2011年8月 |
代表責任者 | 大槻 陽一 |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木6丁目8-29 7階706 |
連絡先 | TEL:03-6447-4111 Mail:info@gk-cons.com |
営業時間 | 10:00〜19:00(水曜日定休) |
上記公式HPの情報は、東京都に宅地建物取引事業者として登録されている情報と一致。
また、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトも調べましたが、行政処分を受けたといった情報は見つかりませんでした。
とりあえず、きちんと宅建免許を登録し、10年以上続いている会社のようです
それから、SNSなどにはあまり力を入れていないようですが、つい最近、新R25から企業インタビューを受けた記事が見つかりました↓
このように運営者が顔出しで活動していたり収益の仕組みを説明したりしているのを見ると、少し安心しますね
※上記は記事執筆時点(2024年9月)の情報です。最新情報は39room公式サイトをご確認ください。
参考:
国土交通省|ネガティブ情報等検索サイト
東京都住宅政策本部|宅地建物取引業者免許情報提供サービス
39roomの気になる口コミ・評判
実際に39roomを利用した人の口コミ・評判を調べてみると、「仲介手数料が無料になった!」「他店より安かった!」と安さに満足する声が目立ちます。
一方、以下のような少し気になる口コミも…
口コミ・評判その1:連絡・対応が遅い?
一週間以上待ったが返信が一切ない
Google口コミ
どうやら、39roomは問い合わせへの返信・対応の遅さが気になるようです。
オンラインでやり取りするサービスにはよくある口コミですが、賃貸契約はどうしても「早い者勝ち」になりやすいので気になりますね…
一方で、以下のように素早い対応に満足している人の声も見つかりました。
退去日が迫っていて時間がない中でも、素早く対応していただき
Google口コミ
無事に引っ越すことができました。とても助かりました。
どちらを信じればいいのか…のちほど実際に使って確かめてみます
口コミ・評判その2:紹介できる賃貸物件が少ない?
使えればラッキーくらいに位置付けてます。
以下体験談です。ホームズ掲載の物件をこちらのサービス経由で問い合わせたところ、先行者がいるとのことでお断りをもらいました。
しかし、ホームズ経由で別仲介会社に問い合わせるとまだ受付中とのこと。その仲介会社か39ルームのどちらが虚偽報告してるかは分かりかねますが、仲介できる物件は少なそうです。
ご注意ください。
Google口コミ
上記の口コミによると、同じ物件のはずなのに、他社と39roomで紹介可否が分かれたようです。
うーん、繁忙期にタッチの差で物件が埋まったり急遽キャンセルになったりすることはよくあるので、この事例だけで「39roomは取り扱える物件が少ない」とは言い切れません。
とはいえ、このような口コミが寄せられるのは、担当者の説明が足りず不信感が生じてしまったから、とも考えられるわけで。
39roomの対応の質を確かめる必要がありそうですね。
口コミ・評判その3:利用者が少なくて怪しい?
新生活の引っ越しに伴い、手数料を抑えたく利用させていただきました。レビューも少なく不安でしたが、終始気持ち良く対応いただきました。
ネットでほぼ全ての物件を確認できる今、賃貸仲介手数料が従来の賃料1ヶ月分というのがもはやおかしいと感じていたため、コンセプトから共感をしました。この値段でしっかりご対応いただき、 大変満足しているため、皆様にもぜひおすすめしたく、人生で初めてレビューをしました笑。
Google口コミ
ただ、人気になりすぎると既存業界からは疎まれると思いますから、引き続き堅実に地味に運営いただければ幸いです。
次回も必ず利用させていただきます。
この口コミのとおり、39roomはレビューの数そのものが少ない様子。
正直、私もランキングで見かけるまでは39roomの存在を知りませんでした。「レビューが少ない=利用者が少ない」と推測できるので、問題があるのかと不安になりますよね…
ただ、39roomのような「安さ」が売りのサービスは広告費を削減していることが多く、目に触れる機会が少ないので広まりにくい傾向があります。
「知られていないだけ」で、隠れた神サービスなのかもしれません…
39roomを実際に使ってみた
それでは、実際に39roomを使ってみましょう。
1.まずは39roomの公式LINEに登録
39roomには電話やメール、公式サイトのフォームなど色々な連絡手段がありますが、手軽に使いたいので今回は公式LINEに登録してみました。
公式LINE登録者は5,000人以上。メールなどの他の利用方法もあることを考えると、結構使っている人は多いみたいです。
「友だち」に追加すると、すぐに上記のような自動応答メッセージが。賃貸物件を問い合わせる前に、ちょっと質問してみます。
メッセージを送ってから5分ほどで返信が来ました。これは担当の方から手動で送られてきたものですね。
店舗が東京しかないので気になっていたのですが、やはり東京以外のエリアで利用する場合は対面での対応は不可のようです
さらに、タイムリーにメッセージが返ってきます。
なるほど、相談すれば時間や曜日などは多少柔軟に対応してもらえるようです。オンライン不動産ならではの便利な点ですね。
ただし、問い合わせは一度に2件まで。SUUMOやHOME’Sのように一括で問い合わせることはできません。
物件を見つけてもらう、というより、「見つけてきた物件の見積もりを依頼する」イメージですね
2.気になる賃貸物件の見積もりを依頼
実際に、不動産ポータルサイトから見つけてきた賃貸物件のURLを送信してみます。
送信後、約2時間で以下のような返信が来ました。
問い合わせた2件とも、仲介手数料無料の対象となる物件とのこと。他社は約3万円で提示していたので、本当に安くなりました。
3.入居意思を39roomへ伝える
今回私は契約しませんでしたが、もし問い合わせた物件に入居したいと思ったら、LINEで「申し込みを希望します」と送ればOK。
- 入居審査
- 初期費用の支払い・契約
- 鍵の受け取り
原則として手続きはすべてオンライン上や郵送で完結し、店舗に行く必要はありません。特に問題なければ、申し込みから10日〜2週間ほどで入居まで進むそうです※。
※利用の流れの詳細については、39room公式サイトをご覧ください。
使ってみてわかった39roomのココがいい・ココがイマイチ
実際に使ってみた印象を踏まえ、39roomの「ココがいい!」「ココがイマイチ…」という点を整理してみます。
ココがいい! | ココがイマイチ… |
---|---|
とにかく安い やり取りがラク だまされにくい | 物件探しの手間 対応のスピードや丁寧さ |
39roomのココがいい!
→安い・やり取りがラク・だまされにくい
説明なく家賃1ヵ月分の仲介手数料を請求する不動産屋が多いなか、39roomの「基本0円」というのは文句なく安いと思います。
特に、「家賃に関係なく」最大で39,000円まで、と明言しているのが39roomのすごいところかと。
仮に家賃8万円の物件であれば、仲介手数料は4万円〜8万円が相場。家賃が高い物件ほどお得ですね
また、LINEでサクッとやり取りできるのもいいところ。
大半の不動産屋は連絡先を入力しなければ問い合わせできないシステムになっていますが、39roomは名前やメールアドレスなどを提出せず気軽に相談できました※。
※入居申し込みの際には連絡先の提出が必要です。
そして、物件を自分で持ち込む形式なので、「不動産屋にとって都合のいい物件」を押し付けられる心配がない、という点も大きなメリットですね。
対面で営業マンに相談すると、言葉巧みに誘導されて「なぜ契約してしまったんだろう…」と言いたくなる物件をつかまされることも少なくないですから…
39roomのココがイマイチ…
→物件探しの手間・対応のスピードや丁寧さ
39roomは仲介手数料や敷金・礼金などの費用については交渉してくれるものの、手取り足取り一緒に物件を探してくれるサービスではありません。
手間をかけて情報を集め、自分で物件を見つける必要があるわけです。
一般的な不動産屋で物件を探してもらうイメージで利用すると、「冷たい」「不親切」「面倒」といった印象を受けるかもしれませんね
それから、回答のスピードを見る限り、39roomは少人数のスタッフで多くの問い合わせに対応しているようです。
そのため、たくさんのスタッフが待機しているようなよくあるオンラインチャットに慣れていると、対応の早さや丁寧さの点で物足りなく感じるかもしれません。
ただ、39roomは基本的に同じ担当者が問い合わせから契約まで対応してくれるので、スタッフ間の引き継ぎ漏れによるトラブルが起こりにくいというメリットもあります。
「チャットで丁寧に説明したのに、内見の現場に来た別のスタッフに何も伝わっていなかった」なんてことにならないかと。
39roomと他社オンライン不動産の違い
ここまで39roomについて詳しく見てきましたが、仲介手数料が安くなるオンライン不動産としては「イエプラ」「イエッティ」が有名どころですよね。ここで、3社を比較してみましょう。
オンライン 不動産 | 39room | イエプラ | イエッティ |
---|---|---|---|
仲介手数料 | 最大でも39,000円まで | 基本0円基本0円 | 家賃0.5ヵ月分 |
対応エリア | ※対面対応は東京周辺のみ | 全国関西(大阪、京都、兵庫) 東海(愛知) | 関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)※原則家賃6万円以上の物件のみ | 関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)
営業時間 | 10:00〜19:00 (水曜日定休) | (定休日なし) | 9:30〜20:0010:00〜19:00 (水曜日定休) |
物件探しの相談 | 物件情報は基本持ち込み チャットや電話で相談も可能 | アンケートで希望条件を入力 チャットや電話で専門スタッフへ相談 | アプリで希望条件を登録 AIが自動で物件を提案 チャットや電話での相談も可能 |
レスポンスの速さ | |||
主な特徴 | 他社仲介手数料0円物件はキャッシュバックあり 物件持ち込み型のシンプルなサービス | 利用者110万人突破 チャットの返信の早さ・丁寧さに定評あり | 独自アプリで操作性バツグン AIによる即時応答 |
ほかの2社と比べてみても、仲介手数料の安さではやはり39roomが優れているようです。(イエプラも基本無料ですが、39roomのように上限金額を明言していないので…)
さらに、39roomは他社で仲介手数料0円の物件にはキャッシュバックも付けるとのこと※。「どこよりもお得に!」という強い意志を感じますね
一方、サービス内容の面では、物件探しや内見の同行までサポートしているイエプラやイエッティに軍配が上がります。
特に、独自アプリとAI機能を導入しているイエッティは、「使いやすさ」の点で他社と差別化している印象です。
こうして比べてみると、
- イエプラ・イエッティ→「対面型不動産と同クオリティのサービスをオンラインで安く」
- 39room→「サポートは必要最小限、その代わり限界まで安く」
という違いがあることがわかりますね。
この3社から選ぶとすれば、
・安さを求めるなら「39room」
・丁寧な接客を求めるなら「イエプラ」
・AIでサクサク部屋を探すなら「イエッティ」
といったところでしょうか。
※特典などの詳細・最新情報は39room公式サイトをご確認ください。
【結論】39roomはこんな人におすすめ
まとめると、39roomがおすすめなのは、以下に当てはまる方です。
とにかく初期費用を安くおさえたい
39roomの魅力は、なんといっても仲介手数料の安さ。
他社が0円で提示している物件にはキャッシュバックも付くので、39room経由で申し込めばほぼ確実に初期費用をおさえられるでしょう。
また、内見不要の場合はAmazonギフト券プレゼントといった特典もあり、少しでもお得に引っ越したい方におすすめです。
営業トークに流されやすい・押しに弱い
実際に使ってみたところ、39roomからは「求められたことだけに応える」という印象を受けました。
積極的な提案を期待する方には物足りなく感じるかもしれませんが、流されやすく押しに弱い方にとっては39roomのような自分のペースで冷静に進められるスタイルが合うのではないでしょうか。
過去に資料請求しただけで連日メールや電話が来てうんざりした経験があるので、個人的に39roomの気軽に使える感じがいいなと思いました
自分で賃貸物件の情報を集めることに抵抗がない
39roomはLINEやメール、電話などで物件探しを相談することも可能ですが、基本は自分で見つける前提のサービスです。
インターネットで調べたり、自分で希望条件をリストアップして比較検討したりすることに抵抗感がない方のほうがうまく活用できるでしょう。
むしろ、「余計な干渉をされずに納得いくまで調べて検討したい」という方にはピッタリかと。
今はVRで内見できたり、地域の雰囲気をSNSでチェックできたりする時代ですから、必要な情報を自力で集めるのもそれほど難しくないですよね。
39roomを利用する際の注意点
最後に、これから39roomを利用する方に伝えたい注意点を記しておきます。
注意点1:賃貸物件の情報をわかりやすく伝える
39roomに賃貸物件を問い合わせる際は、できるだけ詳しく・わかりやすく伝えることを心がけてみてください。
担当者は送られてきた情報をもとに物件を特定する必要があり、わかりにくいと余計な時間がかかってしまうためです。
少しのタイムロスで物件を逃してしまうと後悔してしまうので…
具体的には、物件情報のURLと一緒に以下の情報を追記しておくと丁寧かと。
- 物件を探しているエリア(39roomには全国から問い合わせが集まるので)
- 引越し予定時期(入居中物件である可能性があるので)
- 物件を選んだ理由や譲れない条件(ダメだった場合にほかの物件を提案してもらえるかもしれないので)
注意点2:繁忙期を意識して動く
39roomでは、担当者が問い合わせに対して一つひとつ順番に対応しています。1月〜3月の繁忙期には問い合わせが集中する分だけ、タイムラグや連絡漏れが発生しやすくなるでしょう。
可能であれば繁忙期を避けるのが一番ですが、難しい場合は、
- できるだけ早く返信すること
- 39room側の連絡が遅いと感じたらこちらから連絡すること
の2点を意識してみてください。遅れが生じる前にこちらから動いて防いでしまうんです。
メールだと相手が確認したかどうかがわかりにくいので、個人的には「既読」マークで確認できるLINEを使うのがおすすめです
急ぎの際は電話を使い、もしつながらなければLINEでも連絡を入れておく、といったように複数の連絡手段を使うのもいいですね。
>>> 39room公式LINEには「こちら」から登録できます
注意点3:対面のつもりで丁寧にやり取りする
オンラインでスムーズに手続きを進めるためには、対面と同じように「相手」がいることを忘れないことが大切です。
特に、39roomのようなLINEやメールの文面でやり取りするサービスでは、相手に意図が正確に伝わらない可能性があります。
急いでいるときほど丁寧にやり取りするよう心がけ、メッセージは一度内容を見直してから送るようにしてみてください。
ありきたりな方法ですが、情報が漏れていないかどうかを「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」でチェックするのが効果的です
また、賃貸には入居審査があり、入居者の様子は仲介会社への問い合わせの段階から「見られています」。
「入居後にトラブルを起こしそうな人」と判断されれば審査に落とされてしまうこともあるので、思いやりを持って丁寧に接することをおすすめします。
まとめ
今回は、39roomを実際に使ってレビューしてみました。
類似サービスと比べても、39roomの仲介手数料の安さはかなり評価できると思います。特に、「自分である程度物件は探せるので、とにかく安く契約したい」といった方におすすめです。
ただし、口コミ・評判のとおり連絡・対応のスピードにやや不安があるので、「気に入った物件があればとりあえず39roomへ見積もり依頼を出してみる」くらいの意識で早めに動くようにしてみてください。
この記事を読んでくださった方が、よい物件をお得に契約できることを願っています。
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