引越しの貯金がないときどうするか|17万円で引越した話

moving

「貯金がないけど引越ししたい、引越さなきゃいけない…!」という状況。人生で何度か遭遇するかもしれません。

  • 騒音トラブルで今の住居を逃げ出したい…
  • 職場が遠くて通勤ラッシュつらすぎる…
  • 家族や同居人とのトラブルで離れて住みたい…

ということで、今回は私が過去最安「17万円(初期費用等もろもろ含む)」で引越したときのリアルな費用内訳を紹介してみます。

極端な例なので参考にならないという方も多いかもしれませんが、費用を安くできそうなポイントもまとめてみたのでよかったら見ていってください。

プロフィール
賃貸に住む人

「賃貸に住む人」
・30代一人暮らし
・不動産ライター
・元ハウスメーカー社員
・二級建築士・FP2級
 …です。

就職・転勤などでこれまで5つの賃貸物件を住み替え。現在は会社を辞め、不動産ライターとして生計を立てつつワンルーム賃貸で小さく暮らす日々。

「マイホームより賃貸」派。INFJ。

目次

引越し費用「17万円」の内訳

内訳金額
新賃貸の初期費用112,000円
新賃貸の保証会社手数料22,000円
新賃貸の火災保険料15,000円
引越し(荷物運搬)費用14,000円
新生活用品の購入費用7,000円
旧賃貸の退去費用0円
合計170,000円
税込・概算金額

こちらが、引越し費用「17万円」の内訳です。

なんとか20万円ほど貯金を用意できれば、とりあえず前の家を出て新居に入居できることになります。

支払った時系列で並べたので、順番に詳しく見ていきましょう。

初期費用:112,000円

内訳金額
敷金0円
礼金0円
前家賃30,000円
ハウスクリーニング代22,000円
鍵交換代11,000円
消毒作業代20,000円
仲介手数料29,000円
合計112,000円
税込・概算金額

新しい賃貸物件を契約する際に支払った「初期費用」です。「5畳半ワンルーム・家賃3万円」の物件でこの金額になりました。

このうち、

  • 敷金
    (相場:家賃1〜2ヵ月分)
  • 礼金
    (相場:家賃1〜2ヵ月分)
  • 前家賃
    (相場:家賃1ヵ月分+入居月の日割り)
  • ハウスクリーニング代
    (相場:家賃0.5〜1ヵ月分)
  • 仲介手数料
    (相場:家賃0.5〜1ヵ月分)

の5つは、物件の家賃に応じてだいたい決まります。

残りの鍵交換代・消毒作業代は家賃に関わらず定額なケースが多く、不動産会社の裁量が結構反映されやすいところかと。

賃貸に住む人

初期費用の相場は総額で家賃4〜6ヵ月分といわれています。「引越しで貯金がなくなった…」という主な要因はこの初期費用の支払いですね…

保証会社手数料:22,000円

次に、この物件は保証会社利用必須だったので初回事務手数料22,000円を支払いました。

ちなみに、保証料(家賃の1%)は毎月家賃と一緒に引き落とされる形式です。

火災保険料:15,000円

賃貸物件に住むなら、原則として火災保険に加入しなければいけません。

指定の火災保険会社と契約し、初期費用を支払う際に合わせて2年分の保険料を前払いしました。

引越し(荷物運搬)費用:14,000円

賃貸の契約を終えたあと、格安引越しサービスを手配して荷物を運んでもらいました。

費用は14,000円。搬入完了後に現金手渡しで支払いました。

新生活用品の購入費用:7,000円

家具・家電や生活用品は前の賃貸で使っていたものをそのまま流用したので、新たに購入したのはブラインドカーテンのみです。

一般的な掃き出し窓1ヵ所分、楽天市場で7,000円くらいでした。

旧賃貸の退去費用:0円

最後に、賃貸から賃貸の引越しだったので旧物件の退去費用を支払う…はずでしたが、0円でした。

以上、引越しにかかった費用、総額約17万円でした。

賃貸に住む人

結構限界まで安くなるようがんばってコレなので、貯金20万円で引越せる物件となると、家賃の目安は「3万円台以下」かと思われます…。

引越しの貯金がないとき…安くできる費用

月10万円生活へのロードマップをまとめてみた

一般的に、引越しに必要な貯金は家賃6ヵ月分〜1年分といわれています。

賃貸に住む人

今回の家賃3万円物件なら18万円〜36万円…相場よりも結構おさえられたのではないでしょうか。

そこで、引越し費用のなかでも工夫次第で安くできそうなポイントをまとめてみました。

1.物件次第で安くなる費用

  • 敷金・礼金
    (相場:家賃1〜2ヵ月分)
  • 前家賃
    (相場:家賃1ヵ月分+入居月の日割り)
  • ハウスクリーニング代
    (相場:家賃0.5〜1ヵ月分)
  • 保証会社手数料
    (保証会社必須物件のみかかる)

まず、こちらは物件ごとにある程度決まっている費用です。交渉等ではなかなか変えられません。

そのうえ引越し費用全体に占める割合も大きいので、貯金額に応じてできるだけ安い物件を選びたいところです。

引越しの貯金がないなら…
  • 敷金・礼金0円物件を選ぶ
  • 家賃が安い物件を選ぶ
  • 部屋が狭い物件を選ぶ
  • 保証会社不要物件を選ぶ
賃貸に住む人

ハウスクリーニング代はだいたい部屋の広さ(間取り)で相場が決まっていて、狭い部屋ほど安い傾向があります。

このあたりの費用は、物件ポータルサイトだと「備考」「初期費用」欄などに記載されているので確認してみてください。

2.不動産会社次第で安くなる費用

  • 鍵交換代
  • 消毒作業代
  • 仲介手数料
  • 火災保険料

続いてこちらは、不動産会社の選び方や交渉次第で安くなる可能性がある費用です。初期費用の細かい内訳に記載されているような内容ですね。

賃貸初期費用見積書
賃料以外の「その他費用」と記載されることが多いです

いい物件が見つかったらとりあえず複数の不動産会社へ見積もりを依頼し、比較してみるとよいかと。最近はオンライン不動産で契約すると安く済んだりします。

引越しの貯金がないなら…
  • 消毒作業代を削除してもらえないか相談してみる
  • 仲介手数料0円の不動産会社を選ぶ
  • 自分で火災保険会社を選んでもいいか相談してみる

で、ある程度不動産会社が決まったら「消毒作業代(正直いらないオプション…)」の削除や、火災保険を自分で選んでもいいか相談してみるともうちょっと安くなるかもしれません。

火災保険は最低限の補償で十分という方なら、年間5,000円以内(2年前払いで1万円)も可能かと。

ですが、大半の物件では指定の会社で契約することが入居条件になっているので、できたらラッキー…くらいで。

賃貸に住む人

「あの…できたらでいいんですけど…」くらいの姿勢で丁寧に相談してみることをおすすめします。ここで問題を起こすと入居審査に落とされて引越し自体できなくなりかねないので…。

不動産会社も食べていかなくてはならず、敷金・礼金や仲介手数料を安くした分をこうした細かい点で回収しているのかもしれません…。

3.入居者の努力次第で安くなる費用

  • 引越し(荷物運搬)費用
  • 新生活用品の購入費用
  • 旧賃貸の退去費用

最後に、ここががんばりどころ。不動産会社に関係なく主に自分でコントロールできる費用です。

引越しの貯金がないなら…
  • 荷物を減らして格安引越しを使う
  • とりあえず家具家電なしで生活を始める
  • 旧賃貸を徹底的に掃除して退去費用を安く済ませる
賃貸に住む人

貯金がない場合は、とにかく荷物を減らしておきたいところ。

というのも、大きな家具・家電がなければ「くらしのマーケット」のような格安引越し(個人事業主・自営業者による荷物配送サービス)が利用できます。

「〇〇引越し」のような大手だと、一人暮らしの引越し費用の相場は4〜7万円。3〜4月の繁忙期なら10万円近くすることも。

ですが、格安引越しなら長距離でも3万円しないんじゃないかと。

moving
軽トラ・軽バンに乗るくらいの荷物なら格安引越しで

軽トラを持っている家族・友人に手伝ってもらえば0円にできるかもしれませんね。

また、極端な話、新生活を始めるのに最低限必要なのは「カーテン」と「寝具」だけ。それも、寝具はとりあえず今使っている布団などを持っていけば何とかなります。

賃貸に住む人

賃貸は物件によって窓のサイズが違うので、カーテンだけは新調せざるを得ないことが多いかと。タオルや段ボールで隠してもいいですが…見た目だけでなく防犯上よろしくないと思います…。

その他とりあえずなくても暮らせる家具・家電
  • 冷蔵庫
    →外食したり惣菜を買って帰ったり
  • 洗濯機
    →コインランドリーを利用したり
  • 掃除機
    →100均の掃除シートで掃除したり

極端な話です。とりあえず、とりあえず…。

とりあえず引越して、落ち着いて貯金もでき始めたところで必要なモノをAmazonや楽天のセール時期にまとめ買いするっていうのが効率的かなと思います。

ちなみに、最近チョコザップがランドリーサービスまで始めて、洗濯機・乾燥機が使い放題になったらしいです…住む場所によっては洗濯機買わずに済むかもしれません。

※手広くやりすぎてて個人的には不安を感じていますが…

最後に、旧賃貸を退去する方は掃除してきれいな状態にしてから管理会社に連絡することをおすすめします。詳しくは記事にしているのでよかったら↓

>>>賃貸退去時の費用かかりませんでした

参考:
くらしのマーケット|格安引越し
チョコザップ|ランドリー

引越し費用まとめ
  • 初期費用
    物件・不動産会社選び次第で家賃3〜4ヵ月分くらいまでおさえられるかも。
  • 保証会社手数料
    保証会社不要物件なら0円に。
  • 火災保険料
    自分で選べば1万円くらいにおさえられるかも。
  • 引越し(荷物運搬)費用
    格安引越しなら1〜3万円くらいにおさえられるかも。
  • 新生活用品の購入費用
    カーテン代数千円でとりあえず済ませてみては。
  • 旧賃貸の退去費用
    きれいに住んでいたら0円〜家賃1ヵ月分くらいで済むかも。

引越し用の貯金(現金)はいつまでにいくら用意すべきか

wallet

さて、以上の引越し費用に対して、具体的に貯金(現金)はいつまでにどのくらい用意しておけばいいのかってところも確認しておきたいと思います。

現金で支払う費用

引越し費用の総額は約17万円でしたが、そのうち現金で支払ったのは次の2点のみです。

  • 新賃貸の契約時:48,000円
  • 引越し(荷物運搬)完了時:14,000円
    合計:62,000円

まず、賃貸の契約時に「預かり金」として初期費用の一部を現金で支払いました。

賃貸に住む人

契約が成立すれば初期費用の支払いに充当され、入居審査に落ちるなどして不成立になれば返還されるお金です。

目安としては家賃1ヵ月分程度で、物件が決まりそうだなという日までには一応貯金で用意しておいたほうがいいかと。

※法律上は必ず返ってくるはずなんですが、返還されないトラブルが多発しており、最近は自治体などが預かり金を徴収しないよう指導しているそうです…とはいってもなかなか正面切って断れる人って少ないと思うので、必ず「預かり証(領収証)」だけでも発行してもらってください。

それから、格安引越しはキャッシュレス決済を使えず現金手渡しのケースが多いです。こちらは引越し当日までに用意しておくことになると思います。

クレジットカード払いにできる費用

残りの費用の支払いにはすべてクレジットカードが使えました。総額にして10万円強ですね。

クレカ楽天カード
楽天ポイントが約1,000P付いた…

なので、実質的な支払いは契約月の翌月、タイミングによっては翌々月引き落とし日までに銀行口座に入金しておけばいいことになります。

賃貸に住む人

クレカが使える場合、分割払いにも対応していることが多いかと。

ただ、まだまだキャッシュレス決済に対応していないケースもあるので、貯金が心配な場合は「初期費用カード決済可」の条件に注目して物件を探すのもアリかと思われます。

引越しの入居審査と貯金の関係について

そもそも実質的な支払いの前に、貯金がないと「入居審査」に響くのでは…という点も気になるところかもしれません。

結論からいうと、

  • 安定した職があれば貯金がなくても多分OK
  • 無職or不安定な仕事だと相当な額の貯金がないときつい…

です。

会社員の場合、入居審査で必要になるのは「勤務先や勤続年数がわかる書類」と「年収がわかる書類」。たいていは源泉徴収票か住民税決定通知書を求められます。

賃貸に住む人

滅多なことで貯金額(銀行の残高など)は調査されないかと。

というのも、入居審査では、家賃が払えるくらい「継続的に」「安定した」収入があるかどうかが重視されるからです。

貯金は浪費やギャンブルなどで一夜にして消える可能性があるけれど、給料さえ入ってくれば家賃は払えるだろう…というイメージでしょうか。

なので、会社員の方は貯金額を気にするよりも、「月収と家賃のバランスが合っているか」を考えて物件を選んだほうがいいと思われます。

ちなみに、勤続年数がチェックされるのは、コロコロ職場が変わっていたら「またすぐ無職になるのでは…」と心配になるから…。

※就職・転職を機に引越す場合は、「内定通知書」があるだけで審査の通り方が大きく変わるらしいです。「引越し→仕事探す」より「仕事探す→引越し」が望ましいってことですね…。

そして、無職や低収入な個人事業主(…)の方の場合は、「2年分くらい家賃を前払いできる貯金額」がとりあえずの目標になるかと。

賃貸に住む人

(保証会社・オーナーの心の声)「とりあえず2年くらいは滞納せず家賃を払ってくれそう…入居許可してみようかな…」…

なお、億単位の資産がある某有名人も入居審査に落ちたりしているそうなので、最終的には「オーナーの判断」がすべて…。やるべきことはやって、あとは祈りましょう…。

引越し用貯金(現金)を用意するタイミング
  • 新賃貸の契約時まで
    少なくとも「家賃1ヵ月分」を用意。
    ※無職・個人事業主で預金審査を受ける場合は「家賃2年分以上」の貯金を事前に準備…。
  • 引越し当日まで
    引越し費用が現金手渡しならその分の現金を用意。
  • 新賃貸の契約から翌月・翌々月まで
    クレカで支払った費用の引き落とし用資金を銀行口座に入金。(分割できるかも)

貯金がない場合に利用できそうな引越し関連の助成金

貯金がない場合に利用できる引越し関連の助成金

最後に、貯金がないときに使えそうな引越し関連の助成金も探してみたのでご紹介しておきます。

進学・就職・単身赴任に伴う引越しに使えそうな助成金

一人暮らしを始める学生さん・新社会人さんや、急な転勤で単身赴任する方などの引越しで利用できそうな助成金です。

スクロールできます
助成金概要
移住支援金東京23区から地方へ就業する場合に利用できる助成金。移住先の自治体によって支給の条件や金額が異なる。
新宿区
民間賃貸住宅家賃助成金

※終了
新宿区内の民間賃貸住宅に入居する際に利用できる助成金。現在は主にファミリー世帯向け限定になり、単身世帯は募集終了の様子。
賃貸に住む人

…すみません、残念ながらほぼ見つけられませんでした…。

ただ、学生さんは奨学金や教育支援金などの給付を受けられることも。また、単身赴任なら単身赴任手当が支給されるのではないかと。

貯金がない方は、一度学校や勤務先の制度をチェックしてみてください。

参考:
内閣府総合サイト|移住支援金
文部科学省|経済的に困難な学生・生徒が活用可能な支援策

転職での引越しに使えそうな助成金

転職や退職などが理由での引越しの場合、次の助成金が使えるかもしれません。

スクロールできます
助成金概要
住居確保給付金離職・廃業した際に家賃3ヵ月分が支給される。利用するには直近の月収や預貯金の条件アリ。

また、転職先によっては引越しの初期費用や家賃の一部を補助してもらえることもあるかと。

それから、貯金がない状態で退職した場合、失業手当傷病手当金などの公的制度に頼るのもひとつです。

…失業手当は私も利用させてもらいました↓

>>>低収入個人事業主(非会社員)と税金の話

参考:
厚生労働省|住居確保給付金
厚生労働省|雇用保険手続き(失業手当)のご案内
全国健康保険協会|傷病手当金

離婚に伴う引越しに使えそうな助成金

離婚が理由の引越しの場合、ひとり親家庭や子育て世帯に関する助成金が使えるかもしれません。

スクロールできます
助成金概要
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度20歳未満の子どもがいるひとり親家庭に対し、26万円までを引越し費用として貸し付ける制度。連帯保証人がいる場合は無利子で借りられる。
新宿区
次世代育成転居助成金
子育て世帯が新宿区内で新しく民間賃貸住宅へ住み替える際に利用できる助成金。最大10万円まで引越し費用や転居前の物件との家賃差額が支給される。ひとり親家庭は利用条件が一部緩和。
福岡市
子育て世帯住み替え助成金
子育て世帯が福岡市内の民間賃貸住宅へ引越す際に利用できる助成金。最大15万円までだが、子供の人数に応じて5万円ずつ給付額の引き上げも可能。
他にも類似した助成金が多いので一部だけご紹介

自治体によって助成金の名前が違うので、ネットで検索するときは「〇〇市 ひとり親 住宅手当」のようなキーワードで探してみると見つけやすいかと。

参考:
男女共同参画局|母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
新宿区|次世代育成転居助成金
福岡市|令和5年度子育て住み替え助成事業について

なお、いずれの助成金も給付申請から支給までには時間がかかるので、引越し費用そのものに充てるのは難しいかもしれません…

ですが、「引越しで貯金を使い果たした…」というときにもしかしたら頼れるかと思い紹介してみました。

まとめ

以上、今回は私が過去17万円で引越した際の費用内訳と、安くできそうなポイントについてまとめてみました。

この記事を訪ねて来てくださったということは、何かしらの事情があるのではないかと思います。

貯金が「ない」がどのくらいのレベルか分かりかね、私の経験や知る限りのところを書いてみたのですが、少しでも参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事を共有
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次