こちらの記事で紹介したとおり、私は生活費月10万円(家賃込み)で暮らしています。
そこで、やってみたい方がいるかわかりませんが、具体的に何をすれば生活費を月10万円前後まで下げられそうかをまとめ、ロードマップにしてみました。
取り組むのが簡単、かつ節約効果が大きそうなものから書いてみたので、よければ見ていってください。

「賃貸に住む人」
30代。元ハウスメーカー社員。
転勤で引越しを繰り返したことをきっかけにミニマリスト(自称)へ。
月10万円以下で暮らせるようになったところで会社を辞め、フリーランスに転身。以降、身軽に小さく暮らす日々。
「マイホームより一生賃貸」派。
月10万円生活へのロードマップ

早速、月10万円で生活できるくらいまで支出をおさえるためのロードマップをご紹介します。
全部で5ステップ。順番に見ていきましょう。
STEP1.通信費を下げる

生活費削減の効果:月2,000円〜
まず、スマホ代に月5,000円以上支払っている方は、「格安SIM」に乗り換えてみてください。
格安SIMとは、簡単にいえば「大手通信会社(ドコモ、au、ソフトバンクなど)で契約するより安くスマホを使えるサービス」。

私は某社から格安SIMに変えて、通信費が月6,000円ほど安くなりました。
手持ちの端末本体・電話番号はそのままで、通信会社が変わるだけです。
もちろん細かな注意点はありますが、「格安SIMってなんぞや?」って方ほど格安SIMに変えたほうがいいケースが大半。
わかりやすく説明してくださっている方がたくさんいるので、とりあえずネットで「格安SIM おすすめ」と検索するといいと思います。
ちなみに、個人的に格安SIMのなかで賃貸一人暮らしにおすすめなのは「楽天モバイル」。
容量を気にせずテザリングでPC・タブレットまで思い切り使えるので、自宅用Wi-Fiが不要になる点が他社にない魅力です。
- 毎日ネットサーフィン
- YouTubeをBGM代わりに流しっぱなし
- ZoomなどのWeb会議アプリも使う
実際、こんな使い方をしていますが、特に困ったことはありません。
楽天モバイルは全国に結構店舗があるので、「自分で調べながら進めるのはちょっと…」という方はとりあえず話を聞きに行ってみるといいかもしれませんね。
STEP2.光熱費を下げる


生活費削減の効果:月500円〜
次に電気・ガスなどの光熱費。節約するなら通信費と同じように契約会社を乗り換えるのがおすすめです。
電気・ガスの使用量が同じでも月数百円〜数千円安くなる場合があり、見直して損はありません。
一つひとつ会社ごとに料金を調べて比べると大変なので、私は「エネチェンジ」という一括比較サイトを使いました。


毎月の電気・ガスの請求書(検針票)を見ながらガイドに従って情報を入力していけば、今より安くなりそうな電気・ガス会社をおすすめしてくれます。



実際乗り換えの申し込みをしたところ、新会社が旧会社の解約手続きまで代行してくれたので、あっけないほどサクッと終わりました。
エネチェンジについてはこちらで詳しく語ってます↓
なお、電気をこまめに消すなどの「意志の力」が必要になる節約法はおすすめできません。続かないし、ストレスがたまってより浪費行動に走りやすくなるので。
月10万円生活までは長期戦。「1回だけ見直せば無意識でもずっと効果が続くもの」を取り入れるのがポイントです。
参考:
資源エネルギー庁|電力の小売り全面自由化
日本ガス協会|ガス小売り全面自由化の経緯などについて
STEP3.維持費を下げる


生活費削減の効果:月1,000円〜
続いて、所有しているだけで維持費がかかるモノやサービスを手放していきましょう。例えば、
- 民間の生命保険や医療保険
- サブスク・会員制サービス
- 車
などです。



ミニマリストの生活費が安いのは、この「モノやサービスの手放し」を徹底しているからですね。
それぞれもうちょっと詳しく見ていきましょう。
民間の生命保険や医療保険
生活費削減の効果:月2,000円〜
保険に入っている方は、一度保障内容や月々の支払い金額を確認してみてください。
「学生時代に親や親戚にすすめられたから」「職場の同僚や知人・友人が加入しているから」といった理由で、自分に合わない保険を契約していることがよくあるので。
目安として、保険料が月1万円以上なら「払いすぎ」と考えていいかと。
今の自分や家族の状況と保障内容を照らし合わせ、面倒ですが不要な保険は解約してしまいましょう。
人によって事情はさまざまだと思いますが、基本的には保険料の安いネット保険の掛け捨て型だけで十分というケースが大半です。



日本には「高額療養費制度」があり、一定の金額以上の医療費がかかれば国が負担してくれます※。養う家族がいなければ、公的保険の保障でカバーできるケースが多いんですね。
ちなみに、私は独身で子どももいないので、民間の保険は何も加入していません。
サブスク・会員制サービス
生活費削減の効果:月500円〜
サブスクや会員制サービスは、一つひとつ少額であるだけに積み重なって大きな出費になりがち。
一度加入しているサービスをすべてリストアップし、不要なものを解約してしまいましょう。
おすすめは、加入しているサービスの料金を1回あたりの使用料に換算してみることです。スポーツジムなどは、計算してみたら1回3,000円以上なんてことも。



「この体験・サービスにそれだけの価値があるのか?」「残業代がこのために消えていいのか?」と問いかけてみると、解約する気になるかもです。
なお、サブスクではありませんが、NHK代も見直したい出費のひとつ(小声)。
私はほぼ見ていないのに年間約1万円かかるのがむなしくなり、数年前にテレビを廃棄して解約しました。
具体的には、テレビを処分した際の領収書を手元に用意してNHKに連絡。「自宅にNHKの放送を受信できる設備がないですよー」ということを証明し、手続きを進めてもらいました。
車
生活費削減の効果:月3万円〜
車検代・ガソリン代・駐車場代…車を持っていると、月10万円生活は現実的にかなり厳しいです。
高額であるだけに手放す手間や心理的負担は大きいですが、「立地上・仕事上どうしても必要」といった事情がない限り、検討してみる価値はあるかと…
なお、使用頻度が少ないのであれば、マイカーを手放して「カーシェアサービス」を利用するという方法もあります。
自動車税や駐車場代が不要になるうえ、メンテナンスが行き届いた車に使いたいときだけ乗れる、という神サービスです。



最近は車だけではなく自転車のシェアサービスも全国的に広がっていますよね。ぜひ一度交通手段を見直してみてください。
STEP4.住居費を下げる


生活費削減の効果:月1万円〜
ここまで紹介したSTEP1〜3をすべて済ませると、月数千円〜数万円は生活費が安くなるはずです。
ですが、最もインパクトが大きいのはやはり「家」を変えること。
住居費は避けられない支出であるうえに割合も大きく、家計を圧迫しがちです。生活費をおさえたいなら安いに越したことはありません。



極端な話、家賃10万円の賃貸に住むと月10万円で暮らすのは不可能ですしね。
さて、具体的に家賃込みで生活費を月10万円以内におさめるとすれば、物件としては「月6万円未満」が現実的なラインになるかと思います。
とはいっても、5万円台だと先に紹介したようなミニマリスト的生活でも結構ギリギリ。
予期せぬ出費に備え、気持ちの余裕を持つなら3〜4万円台の物件に住みたいところです。
地域によりますが、家賃3万円台・4万円台の物件のスペックはだいたいこんな感じ↓
- 立地:駅からやや遠い
- 間取り:ワンルームまたは1K
- 広さ:7畳以下
- 収納:狭い or ない
- 水まわり設備:スペック低め(1口コンロ、ユニットバス、洗濯機置き場は屋外 など)
- 構造:基本木造・軽量鉄骨(RCはほぼない)


この広さだとベッドなどの大型家具は正直厳しい
→必要にせまられてミニマリストになっていく…
人によって妥協できるポイントは違うので、物件検索サイトで家賃条件を指定して絞り込み、実際にいくつか見てみるのがいいと思います。
ちなみに、差し迫った事情があってどうしても生活費を下げたい!というのであれば、
- 実家に住む
- 同棲・シェアハウスで家賃負担を減らす
- 住み込みの仕事を探す
- 家賃補助のある会社を探す
といった選択肢もあります。
なお、家を変える際には「引越し費用」もかかることを忘れてはいけません。
賃貸の初期費用は原則として家賃に連動するので、家賃が安い物件ほど引越し費用も安く済むケースが多いですよ。
以下の記事では私が引っ越した際に実際にかかった費用の内訳を紹介しているので、よかったら参考にしてください↓
STEP5.小さく暮らす


さて、月10万円生活実現に向けた最後の課題は、
「変動費」を予算の範囲内におさえる。そして、その「小さな暮らし」を習慣化し、続けられるようにする。
です。STEP4までの内容は基本的に一度やってしまえば放置しておけるものですが、変動費だけは「習慣化」が必要。…最後にして最大の難関ですね。
実際月10万円で暮らしてみた感じ、家賃・光熱費などの固定費を除くと、残りは「3〜5万円」ってところかと。
食事や消耗品費も含めてこの金額なので、感覚としては日常的に100円・500円を使うのも慎重になるレベルです。
もしやるなら、慣れるまではミニマリストのように「生きるために必要なモノ・コト以外には一切お金を使わない」くらいの意識で過ごしてみるといいと思います。



私の場合、しばらく続けたところでふとラクになる瞬間が訪れました。習慣化するまでは最短で「18日」程度って研究結果もあるみたいなので、とりあえずの目標にしてみては。
とはいっても、絶対に月10万円以内にしなきゃいけないっていうものでもないと思うので、最終的にはご自身の収入・環境と相談しながら現実的なラインを探ってみてください。
やり過ぎると「心まで貧しくなってしまう」と感じたり、人目が気になったりする人も少なくないので…
ただ、個人的には「1ヵ月限定でも一度は月10万円以下で暮らす生活を体験するといいのでは?」と思ったりもしています。
生活費が月10万円以下になると見える世界


というのも、月10万円以内で暮らせると、見える世界が変わってくるからです。
理由は以下3つ。
1.働き方の選択肢が増える
生活費が月20万円だとしたら、いわゆる「きちんとした仕事」「安定した仕事」が必要になってしまいます。
「フルタイム+残業」だったり、いくつも仕事をかけ持ちしたりと、体や心に負担をかけながらがんばっている方も多いでしょう。
一方、「月10万円」稼ぐ方法としては
- 週3日ほどアルバイトなどで稼ぐ
- 副業レベルの在宅ワークや個人事業で稼ぐ
- 配当金・ポイントなどの不労所得でまかなう
なんて選択肢があるわけで。「きっと何とかなる」と思えるので、心がめちゃくちゃラクになります。



私は会社勤めに限界を感じ、必要に迫られて生活費を下げました。その結果、今はライター業・配当金・ポイ活などで十分生活できています。
2.将来のお金の不安が減る
現状、国民基礎年金は、満額受け取れる場合で月5万円〜6万円。
厚生年金がプラスされるとしても、「老後2,000万円問題」なんて言葉があるくらいで、自分で資金を用意しなくてはとても暮らせないといわれています。
しかし、これは生活費月20万円くらいの一般的な家庭を想定した場合の話。月10万円で生活できれば、必要なお金は約半分になります。



極端な話、今回紹介した内訳から「老後に支払い不要なお金」を除くと生活費は5〜6万円以内。国民基礎年金だけでまかなえるわけです。
結果として「年をとって働き口がなくなったらどうしよう…」「何千万円なんてとても貯められる気がしない…」といった悩みや不安から解放されます。
参考:厚生労働省|令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況p.21
3.生活の満足度が上がる
例えば、
- 手取り20万円で生活費は18万円
- 仕事は週6日フルタイム
- 嫌な上司または同僚などストレスフルな環境
といった状況を想定してみましょう。
ここから生活費を10万円まで下げられれば、8万円多く手元に残るわけです。年間で96万円、つまり1年で100万円近く貯まります。
すると、本当にほしいモノや体験が見つかったときに、ためらわずお金を使えるでしょう。毎日小さな金額をなんとなく使うより、満足度は高いと思います。
また、まとまったお金が手元に残ると、転職活動をしやすくなったり、早期退職する「FIRE」が現実味を帯びてきたり。
「今の環境を自分の力で変えられる」という希望が見えるので、精神的に安定した日々を送れるようになってきます。
実際、私は月10万円生活を続けたことでまとまった資産が貯まり、その安心感から思い切って会社を辞めることができました。
収入は格段に減りましたが、ストレスも大きく減ったので、不思議とお金がかからないちょっとしたことで満足できるようになったのを実感しています。
- 天気のいい日にゆっくり散歩する
- 新しい料理に挑戦する
- 図書館で好きなだけ本を読む
- YouTubeなど無料コンテンツを活用して外国語を学ぶ …など
さらに、
お金を使わないので資産が増える→精神が安定する→お金のかからないささいな幸せで満足する→資産が増える→精神が安定…
といった具合に、プラスのサイクルが確立されたみたいです。
たまに旅行に行ったりごちそうを食べたりすると10万円をオーバーしますが、ベースが安定しているので資産はホント減らなくなりました。



「安心」「安定」を求める方には月10万円生活が本当におすすめです。
まとめ
以上、月10万円生活を実現するためのロードマップをご紹介しました。
今回ご紹介したことをいくつか取り入れれば、10万円とまではいかないまでもある程度は生活費を下げられるのではないでしょうか。
また今後、「小さな暮らし」の魅力や浪費をおさえるための具体的な方法なども記事にまとめてみたいと思います。
少しでもどなたかの参考になれば幸いです。
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